消費税と円高とデフレについて

毎年1兆円づつ増える社会保障費を賄うには、どこかで増税が必要なことはほとんどの国民が分かっている。その中で消費増税は避けられない道であるかもしれないが、過去のことを思い出せば消費税を上げれば良いと考えるのは早計である。1997年度に消費税率を5%に上げた年に一般会計税収は54兆円あった。しかし、昨年度は42兆円で12兆円も減った。税収の3本柱のうち、消費税だけが増え、所得税と法人税がピーク時の半分になっている。ここを立て直さない限り、財政再建も社会保障の将来もあり得ない。

その大きな原因は円高とデフレである。円高が産業基盤を土台から崩しつつある。製造業は今のような円高ではやっていけないだろう。またデフレで名目成長が止まれば、企業は減収になり、個人は所得が減り、国は税収が減る。この状況を打破しないと、いくら消費税を上げても財政再建はおぼつかない。

政治が円高やデフレ克服に本気で取り組んでほしい。

ユーロ成長戦略から思う

ユーロ圏の危機に対する懸念がくすぶっている。当面のギリシャの離脱回避はできたが、ユーロに安定が戻る保証はない。もともとユーロ圏の戦略とは、独仏を中心とする経済活動基盤の地理的な拡大にあった。ユーロ圏の中核となる国は高齢化が進み、やがては人口減少を迎えるのが目に見えている。そこで、経済成長と世界経済への影響力を維持し確保するには他国をユーロ圏に取り込むことがうまくいくと考えたのであろう。これは、企業が買収によって成長を図るのと同じである。一方で企業買収と違う点は、意思決定の統合が行われず、各国の政治的、財政的な独立がそのまま保障されたことである。各国の独立に制限を設けて連邦国家になるには難しいことが山ほどある。

日本もアジア通貨圏構想がしばしば登場するが、経済体制や文化に大きな差がある国々がうまくいくとは思えない。それよりも、自由貿易協定(FTA)の拡充をするほうが現実的で良いのではないだろうか?

幸福度の指標で日本は21位

経済協力開発機構(OECD)は国民生活の幸福度を評価した「より良い暮らし指標(ベター・ライフ・インデックス=BLI)の第2回目の結果を発表した。日本は36か国中21位であった(昨年の第1回は10位)。このBLIは国内総生産(GDP)に代わる国民の豊かさを測る指標である。

総合で1位はオーストラリア、2位はノルウエー、3位は米国、4位はスウエーデンと続いている。日本は11の評価分野のうち、「安全」はトップ、「教育」は2位で学歴や読解力が評価された。しかし、「住居」は25位、「生活の満足度」は27位、さらに「仕事と生活の調和」は34位となった。これは週に50時間以上働く人が29,5%に上ったことや、1日のうち余暇や睡眠、食事に充てる時間の割合が60%とOECDの各国平均の64%を下回ったことが響いている。

電機大手が明暗を分けた

電機大手の業績で明暗が分かれた。日立製作所は、2012年3月期決算で純利益が過去最高の3471億円になった。反対にソニーは4566億円、パナソニックは7800億円、シャープも3760億円の赤字になった。重電各社(日立・東芝・三菱)は不採算事業から撤退する一方でそれに代わる安定収益源を育成する「選択と集中」を進め産業用機器などで堅調な業績を確保したが、家電大手(ソニー・パナソニック・シャープ)はそれに乗り遅れ大幅な赤字に陥った。

今後、パナソニックは住宅関連や電池などに経営資源を集中して収益力を立て直す計画であり、ソニーは15年3月期に、テレビ以外の携帯電話、デジタルカメラ、ゲームの3事業でエレクトロニクスの営業利益の85%を稼ぐ青写真を描いている。各社が数年後に現在の日立のような収益構造を築けるか?市場は注視している

「小が大を越えるマーケティングの法則」を読んで

著者:岩崎邦彦 発行:日本経済新聞社

小規模企業の強みを生かし多マーケティング戦略を描いた本である。

そのポイントをいくつか挙げると

1、「個性」「専門性」「こだわり」などが、小さな企業の強みとなる。これらを追及して消費者に訴えることができれば、大企業より優位に立つことができる 

2、小さな企業は、大企業のような「自分たちが売りたい人」を対象にするのではなく、「小さな店に惹かれる人」を対象にすること

3、「小さな店に惹かれる人」の5つの特徴は

①「本物志向」が強い

「個性」「こだわり」「専門性」を重視する

②「人的コミュニケーション志向」が強い

「店員からのアドバイス」「店員とのコミュニケーション」「店員の親しみやすさ」を重視する

③「関係性志向」が強い

「買い物はここ」と決めている店が多い

④「地元志向」が強い

「家の近くで買い物したい」「歩いて行ける範囲で買い物したい」と考えてい

 る

⑤「低価格志向」ではない

「安売り」「バーゲン」をあまり重視しない

 

4、小さな店に惹かれる人に対応するには、3つの力を高める必要がある

①ほんもの力

②きずな力

③コミュニケーション力

 

最後に「小さいことはいいことだ!」ということらしい・・・。

正規社員を採用しよう!

今年卒業の大学生の就職状況は、依然として氷河期を脱したとは言えない。多くの企業が引き続き正規社員をとるのを絞っているからである。企業の採用姿勢は、デフレ経済に入った1990年代後半から大きく変わった。正規社員を採用するのではなく派遣社員などの非正規社員を増やす方向に大きく転換したのだ。総務省の統計によると、2011年には雇用者の非正規比率が初めて35%を超えている。

企業がこの非正規社員を増やすには2つの問題がはらんでいる。

第1は、学卒時に不安定な雇用状態に置かれると、その後の復活が難しいこと。その結果、貧困層の拡大につながる確率が大きくなる

第2は、日本企業の競争力が弱くなること。正規社員だからこそ企業の蓄積された知識・技術やノウハウな継承がなされるのだと思う。

確かに、正規社員として採用して育成するには、大きな負担になるだろうが、企業の将来を背負うのは彼らである。

ぜひ正規社員を採用してほしい!

10年後に食える仕事食えない仕事

東洋経済新聞社 著者:渡辺正裕

こんなテーマの本が出版されるのかと思い、なんとなく手に取ってみた。

この本の「はじめに」に次のことが書かれてあった。

グローバル化がいくら進もうが、日本人の仕事として日本に残る仕事は必ず残り続ける。逆に、グローバル化で減る仕事、賃金相場が限界まで下がり続ける仕事、丸ごとなくなる仕事がたくさん出てくるのも事実だ。だから、自分がどの領域で稼ぐのかを考え、仕事を選び、能力を高めていかなければならない。本書はその航路図となるものを目指して執筆した。(途中略)

グローバル化といっても変化のスピードには差が大きく、しっかり整理して理解しておかないと痛い目に合う。速い順にいえば、ウェブを通して一瞬で国境を越える「カネ」と「情報」、徐々に国境がなくなりつつある「モノ」や「企業」、国境を越えるのにかなりの時間を要する「ヒト」、国境を越えない「土地」。それぞれに関連する職業が、相応の影響を受ける。

目次を掲げると

第1章 いま、何が起きつつあるのか

第2章 「日本人メリット」で食える仕事の条件

第3章 各エリアの職業とその特徴

第4章 判定チャート

第5章 10年後の生き残り方

第6章 10年後の「日本人の雇用」

 

参考にするのは良いが、自分の長所を生かして、自分のやりたい仕事は何かという観点で考えたほうが良いと思う!!!

人格者とは(菜根譚より)

1、人格者とは、誰に対しても公明正大で、自分の考えや価値観を常に明確に示せる人

 

1、人格者とは、自分の才能を奥深くに隠し、決して他人にひけらかしたり、すぐに目立つようなパフォーマンスをしない人

 

こうなるために、毎日少しづつ成長したい!

格安航空会社、はや激戦か?

日本航空などが出資する格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが、7月から順次就航する国内6路線の運賃を発表した。それによると、すでに開業しているピーチ・アビエーションと競合する路線(関空―札幌線と関空―福岡線)の運賃を最低価格で190円安く設定した。今年は国内大手が出資する3つのLCCが相次ぎ就航する「LCC元年」であるが、早くも価格競争が始まった。ジェットスター・ジャパンの鈴木みゆき社長は「どの会社よりもジェットスター・ジャパンが一番安い」と語っている。

8月には全日空とアジア最大のLCC、エアアジア(マレーシア)が設立したエアアジア・ジャパンも成田を拠点に就航する。路線・便数の充実でLCC同士だけでなく、鉄道との顧客獲得競争も激しさをますであろう。

菜根譚(著者:洪自誠)から

1、穏やかな気持ちでいる(前集6)

嵐の日には、鳥までも恐ろしさに震えているが、穏やかな天候に恵まれた日には、草木までも楽しげで喜びにあふれているようだ。このことからもわかるが、自然界に暖かい陽気が必要なように、人の心にも穏やかで優しい気持ちが欠かせないのである

 

2、広い心を持つ(前集12 前段)

この世に生きているうちは、できるだけ広い心を持って生きることが大切だ。寛大な心で人に接すれば、相手に不平不満の気持ちを抱かせないことになる

 

3、あたたかい心を持つ(前集72)

気候が温暖な春には、植物も芽をだしすくすくと育つが、寒い冬にはたちどころに枯れてしまう。

人についても同じことが言える。心のあたたかい人には、天からの恵みも豊かで、末永く幸せに暮らせるが、心の冷たい人には、天から受ける恵みも少なく、幸せも薄い。

 

いつも穏やかで、広くあたたかい心を持って生きたいものだ!

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