消費税と円高とデフレについて
毎年1兆円づつ増える社会保障費を賄うには、どこかで増税が必要なことはほとんどの国民が分かっている。その中で消費増税は避けられない道であるかもしれないが、過去のことを思い出せば消費税を上げれば良いと考えるのは早計である。1997年度に消費税率を5%に上げた年に一般会計税収は54兆円あった。しかし、昨年度は42兆円で12兆円も減った。税収の3本柱のうち、消費税だけが増え、所得税と法人税がピーク時の半分になっている。ここを立て直さない限り、財政再建も社会保障の将来もあり得ない。
その大きな原因は円高とデフレである。円高が産業基盤を土台から崩しつつある。製造業は今のような円高ではやっていけないだろう。またデフレで名目成長が止まれば、企業は減収になり、個人は所得が減り、国は税収が減る。この状況を打破しないと、いくら消費税を上げても財政再建はおぼつかない。
政治が円高やデフレ克服に本気で取り組んでほしい。