円高に思う
昨年初めは1ドル90円台であった円が現在では70円台後半である。急激に高くなった円が、日本経済を圧迫する要因として大きく取り上げられている。
過去において円高が国際問題になったことは2回ある
1回目は、1971年のニクソン・ショックである。その時は1ドル360円のレートが一気に308円に切り上げられ、一時的に日本の輸出に大打撃を与えた。
2回目は、85年のプラザ合意である。米国はドルが高くなったのでこれを改めようと、主要5カ国の財務相・中央銀行総裁の協議で他国に通貨高にする事を強く要求した。日本もこれに協力して公定歩合を引き上げて円高政策を実行した。その結果1ドル240円であった円が2年足らずで120円まで上昇した。この時も日本の輸出産業は打撃を受けたがやがて輸出品目の変更や内需拡大によって克服した。このように円高は一時的には経済に打撃を与えるが、少し長い目で見れば日本経済が強くなる面もある。
今回の円高はどうであろうか?
かなりの限界に来ているように思えるが、当面は公共事業を中心とする内需拡大策をとれば何とかなるのでは?