今後の中国経済について
リーマンショックからの回復の中で中国の果たした役割は大きかった。いち早く巨額の財政刺激策を発動し世界経済をささえた。これにより中国は、長年切望していた国際的威信を取り戻したと思われる。
中国経済はとても理解しにくいが、最近はそのベールを剥がしてくれる良書が出版されている。例えばリチャード・マグレガー「中国共産党」によると、共産党の権力は今でも、政府、軍、司法、メディアはもちろん、中国経済の中核である国有企業のすみずみにまで浸透しいささかも揺らいでいないらしい。最近上海から帰ってきた友人は、高層ビルが次々に建つと共に人々の活気に圧倒されると言っていた。まさに、躍進する中国経済の象徴といってよいのだろう。しかし、その上海の繁栄も、完全に党の支配下にあるとういことである。
共産党の最大の目的は、党の権力維持と国威発揚である。そのためには今後もあらゆる手段をつかって現在の成長を維持しようとするだろう。