沖縄の基地問題と今後の経済への期待
沖縄の多くの人々にとって、米軍基地はない方が良いに決まっているが、彼らも日本の安全保障上、沖縄の地理的・軍事戦略的な重要性は十分に理解している。しかし、その基地の負担があまりに沖縄に集中していることに強い不満を持っているのである。彼らは、本土の人々も一定の負担をわかちあって良いではないかと思っている。だからこそ、普天間基地の県外移設を熱望しているのだと思う。
近年、中国が極東において、軍事的影響力を大きくし、東アジアに変化が生じ、竹島や北方領土などの問題も複雑化している。もはや日本列島を守るためには基地問題を沖縄に押し付けていれば済む問題ではない。
経済的には、沖縄と東アジアの国々との経済関係がかつてないほど緊密になっている。那覇空港の貨物ハブ化が実現してから1年半が過ぎた。そして、2010年の貨物取扱量は14万8000トンとハブ化前の150倍に達している。
アジアの主要都市から2〜4時間圏内にある沖縄の立地の良さが最大限に活用されるようになった。工業部品や生鮮食品などの日本の高付加価値商品が日本全国から集積され、積み替えられて輸出されている。今後はアジアの一大基地として又一大観光地としての地位を確立してもらいたいと思う。