企業の現預金200兆円に思う

 日本の民間企業(金融機関を除く)は200兆円もの現預金を持っているといわれている。

 これは約6000万人の就業者で割ると、一人約30万円強である。従業員が100人の企業であれば3000万になる。そして、この数字は増加傾向にあるらしい。
 このことは、日本の企業には豊富な手元資金が溜まっている事を意味している。
2008年9月のリーマン・ショック以来信用不安が広がり、企業も金融機関も資金を調達しにくくなった。その経験が経営者にとりあえず手元資金に余裕を持っておこうという気持ちにさせていると思われる。しかも円高にもかかわらず、日本企業は経費節減努力で業績を回復させ現金が増えている。
 金は天下の回り物といわれるので、これらのお金が天下を回れば良いが、残念ながらそうなっていない。企業が貯めたお金は金融機関に預けられているが、金融機関は企業に貸し出しするのが減り国債を買うのが増えている。このことは、企業や家庭から預けられたお金は銀行を通じて政府にむかっていることになる、
 

 なぜこうなったのかを考えてみると理由は2つ。

 一つは、金融機関が貸し出しに臆病になったこと
バブル崩壊後、金融機関は不良債権問題で非常に苦い経験をし、無リスク資産であるといわれている国債の購入に走ったこと

 もう一つは、企業が投資に臆病になったこと経済が成熟化し、成長分野を見出すのは難しい。下手に投資して失敗すれば経営者は株主から厳しい批判を受ける。それなら無理しない方がよいと考えてもおかしくない。

 しかし変化の兆しはある。この円高で海外企業を買収する事例が増えてきたことだ。今後の動きが少し楽しみになってきた!?

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