国際社会で活躍できる人材育成を
世界市場で日本企業の存在感が低下してきた。その原因の一つには、ビジネスが国際化したにもかかわらず、日本人の会社であり続けていることだと思う。外国に留学する人が減り、海外勤務を避ける傾向も強まっている。国際社会で活躍できる人材を育てる明確な目的意識を持たないと、このままでは国際競争力のない国になってしまう。
韓国では、1997年に英語を小学3年生から必修にした。小学校では生徒が英語を話し,聞き、音に慣れる授業が中心である。
LG電子は、経営幹部の多くを外国人にし、2008年には英語を社内の共通語にした。会議も電子メールも書類作成も全て英語である。その結果、韓国企業というよりもグローバル企業というイメージが強くなり、外国人の入社希望者が2〜3倍に増えたらしい。
英語が世界のビジネスや学術研究の共通語になっている今、英語力向上を進める国家戦略は当を得ていると思う。
日本はどうであろうか
語学力があり、現地の制度や固有の事情をよく知っている人材がかなり不足している。これでは、現地のニーズが的確につかめないし、相手国へのプレゼンテーションにも事欠く。
ビジネスがどんどんグローバル化し、さらに新興国市場が重要になるのにあわせて、社員の多国籍化を進めてきた欧米や韓国、中国、アジア企業との大きな違いであり、遅れである。
産能大学が実施した日本企業の新入社員の海外勤務についての意識調査がある。04年と07年を比べると、「海外で働きたくない」が29%から36%に、「海外赴任を命じられたらできるだけ拒否する」が22%から30%に増えている。これは内向き志向の強まりを端的に示す数字である。
早急に国家戦略として、国際社会で活躍できる人材育成に取り組む必要があると思うがいかがであろうか!?