日本企業の危機対応について
2008年9月のリーマンショックから1年余りが過ぎた。リーマンショックから今年の3月位までは多くの企業にとって目先の資金繰りが最大の課題であった。需要がなくなり現金が入ってこなくなる一方で、金融市場は機能不全に陥り、資金調達はままならなかった。こうした危機感を背景に、各企業は懸命のリストラを実施した。目先の現金流出を食い止めるために、大幅な減産に踏み切り、雇用についても非正規社員の雇い止め等を実施した。これは社会的批判を呼んだが調整が進んだのも事実である。
そして、4月頃からは、金融市場が落ち着きを取り戻し、格付けの高くない企業でも社債を発行できるようになり、非常事態はとりあえず去ったと思われる。しかし、危機は去ったのではなく緩んだだけだと思う。
90年代には「雇用・設備・負債」の3つの過剰に苦しんだが、今は再び、「雇用と設備」に過剰感が出ている。これらをどのように解消するか?そしてその後の成長シナリオをどう描き実願するかが問題である。