今後の景気について
2008年のリーマン・ショック後、日本の製造業の生産は急激に落ち込み、企業収益や設備投資も急減した。実質国内総生産(GDP)は10月〜12月期に年率12.1%の減少となり、1月〜3月も10%近い減少になりそうである。これほど落ち込んだ直接の原因は米国の金融危機である。当の米国は10月〜12月にGDPが年率6,3%減であった。震源地である米国よりも日本の方が落ち込みがひどいことになる。
この理由としては、2つ考えられる。一つは在庫の調整である。需要が落ち込むと生産調整はそのあとになるので、過剰在庫がたまり、これを正常に戻すにはある段階で需要の落ち込み以上に生産を減らす必要が生じるからである。もう一つは設備投資の調整である。需要が減少すると、生産能力を増やす必要がなくなるからである。
ただ、在庫調整も設備調整も需要以上に大きな落ち込みを示すのは一時的な現象である。過剰な在庫が調整されれば生産は需要に見合ったものに戻るし、設備投資もそれに見合ったものになる。
このような異常な局面を抜け出したあと、日本経済は当面横ばいになるであろう。
企業経営は当分の間厳しい状況が続くであろうし、雇用情勢も良くなる事はない。
今回の世界同時不況は少なくとも今年いっぱいは続くのではなかろうか?