この危機に思う

  昨年来、日本列島の隅々まで、いや世界中が悲壮感ともあきらめともつかない暗い雰囲気に包まれている。アメリカという大国から飛び火した不運を嘆いていても状況は変わらない。この危機から様々なことを学び、新しい日本を創ることを考えることが大事だ。日本は第二次大戦で木っ端微塵になった。失業率がいくらというような問題ではなく、絶望的な状況の中から、数十年の間に世界第2位の経済大国になった。その間の私達の先達の苦労と努力を考えれば、100年に1度の危機どころの話ではないと思う。  

  ところで、懸命に働き、汗をかいている人が幸せになれない社会はどこかがおかしいし、良い社会とはいえない。派遣制度を製造業まで拡大した政策と、企業倫理の欠如のせいだと思う。雇用を何とかしなくてはならないと思う。しかし、ここで忘れてはならないのは、「自分の身は自分で守る。誰も助けてはくれない。国も企業も頼りにならない」ということを再認識することではないだろうか。  グローバル化という言葉は、アメリカ型を踏襲することであった。そこには、アメリカは失敗しないと言う前提があり、しだいに日本社会の美風といわれるものが消えていった。今や従業員を大事にするという日本的企業風土が失われつつある。  

  これからは、日本らしい文化に立脚した考え方を国家再生の基本にして、世界に発信していくことが大事であろう。

日本人の良さ、その一例を挙げてみると

1、約束を守る

2、誠実である(ウソをつかない)

3、無茶をしない(自分の一方的な押し付けや勝手な解釈でモノを進めない)

4、相手のことを本気で考え力添えする

5、品性がある  

などであろう。  

  そして、アメリカになくて日本にあるもので、その最も重要なものは、「多神教的寛容さのある社会」だと思う。一神教の世界(例えば、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ヒンズー教など)は争いが絶えない。宗教対立による戦争である。日本では、草木の一本一本、石、虫、動物にも心があり、魂があると考え、森、山、川、池、海、空にも命があると考える。この日本人の伝統的心性、いわゆる八百万の神を奉る。をいまこそ自信を持って世界に発信し、聖徳太子が十七条憲法の第1条に謳った「和を持って尊しとなす」を実行すること、これが人間性を取り戻し、平和な社会を築く礎になるのではないだろうか!

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