今後の自動車業界はどうなる?
トヨタ自動車の4―6月四半期の決算では、はじめて四半期決算で減収減益に終わった。
つい1年前まで高い成長力と高収益を誇った自動車産業が突然の逆風でたじろいでいる。ガソリン高の影響で世界的に新車の売れ行きが落ちており、とりわけ大型車の販売はかなり悪い状況にある。“石油を燃やして走る”という車の基本が見直される時期に来たということであろう。
自動車社会の大前提は安い石油である。安い石油が豊富に供給されて初めて、自動車は便利で快適な移動手段になる。
ところが、最近のガソリンの値上げによりそれが満たされなくなりつつある。今後は以前のような安いガソリンにもどることは非常に難しいであろう。この難局を克服するには、新技術の開発が不可欠である。
そこで、今後の新技術開発のポイントはなにか?それは“脱ガソリン”である。ガソリン以外の“もの・何か”で車を走らすことである。この脱ガソリンに向けた一つの節目は、2010年で、この年に、トヨタやGMは「プラグイン(充電型)」と呼ばれる第2世代のハイブリッド車を発売する予定である。エンジン走行に軸足を置く現行のハイブリッド車と違い、短距離なら電池だけで走ることが可能である。脱ガソリンの有力な第一歩と期待されている。
自動車業界は、今後資源や環境問題を克服する技術革新の実現を期待されている。これができるかどうかが今後の自動車産業の大きな岐路になるであろう。