2008年6月8日第73号

 「事業承継に成功する後継者の育て方」

  日本の中小企業にとって、今や大きな問題となっているのが事業承継問題です。優れた技術を持っていながら、後継者がいないため廃業する中小企業も続出しています。これは大変悲しいことです。会社を引き継いでくれるご子息・ご令嬢がいたとしても、カリスマ性で事業を発展させてきた社長様から見れば、なんとなく頼りなさ感じてしまうものです。社長様がつくった会社を継続的に存続させるためには、周到な準備で事業の承継を図っていかなければなりません。

 しかしながら、ご子息やご令嬢が会社を引き継ぐ際、経営者としての意識変革、人間教育、マネジメント教育、ブレーンづくりなど後継者教育を十分にやらないまま事業承継している会社が多くあります。このような事業承継は必ずといって会社が傾いていきます。 
 事業承継において最も大切なことは、後継者の経営者としての教育です。一般的に社長様のお知り合いの大企業で数年間修行をさせてから、社長様が自ら後継者の教育に携わります。一般的には、営業・生産・財務・労務など各業務の経験を積ませてから、部長・常務・専務と経営層に抜擢していきます。まずは業務に関する専門的知識を身に付け、社員との人間関係や業界知識を理解するように教育します。一番のポイントは、社長様が後継者にサラリーマンから経営者へ意識変革させ、マネジメントの本質、会社の経営理念、事業構造をしっかり叩き込むことです。同時に、自社の経営状況や今後の事業計画、業界動向、市場動向などの経営情報も教えていくことも必要です。このように後継者教育は、体系的に、計画的に、継続的に教育計画を立てて進めていかなければなりません。しかし、社長様は日常の仕事が忙しくて、場当たり的な指導に陥っていたり、セミナー任せになったり、最悪は本人任せになっているのが実情です。

 後継者が社長としてリーダーシップを発揮できるかどうかは、経営理念を継承するだけではなくて、自分自身の哲学をも盛り込んで、価値観・目標・戦略を明確に示すことが大切です。そのための前提条件として、社員と深い信頼関係を築けるかで成否が決まります。特に、先代社長や古参社員が築いたものを疎かにしたり、後継者としてこの会社をどのような方向に持って行きたいのかビジョンを明示できなければ、事業承継は失敗します。銀行や商工会議所が「後継者育成セミナー」を開催していますので、そこに派遣することもいいでしょう。私も社長様から頼まれて後継者教育を請け負うことがありますが、その際は社長になり代わってマンツーマンで徹底的に教育をします。「後継者としての自覚」から「社長の仕事」「社長の心得」にいたるまで、会社の課題を洗い出し、後継者が社長様のお考えや会社の現状を確認しながら、経営者としての人間力・マネジメント力を高める指導をしています。身内の甘えや感情が入らないため、1年間で経営者としての心構えが育っています。私は「常に自分の頭で考え、決断できる人間」に育てることをモットーに、これからの日本経済の復活を担っていく経営者を育てていく所存です。

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