第61号2008年3月15日

「ラッセル幸福論」を読んで

 
「ラッセル幸福論」岩波文庫 を読んだ。バートランド・ラッセルはイギリスを代表する思想家であり、20世紀最高の知識人の一人といわれている。
この本の構成は第1部 不幸の原因、第2部 幸福をもたらすもの、となっている。
この中で、第1部の不幸の原因としては、競争、退屈と興奮、疲れ、ねたみなどの項目があるが、それらではなく、第2部の幸福をもたらすものの中から、興味を持ったものを記してみたい。
1.幸福をもたらすもの
色々な教育を受けた者のなかで、今日最も幸福なのは科学者である。彼らは、自分の能力を最大限に発揮する仕事をしている。そして、その成果は彼らだけでなく大衆にとっても重要と思われる成果をあげている。この点では科学者は芸術家よりも幸福である。大衆は、絵や詩などが分からない時には下手な絵だとか詩だと考える。しかし、相対性理論が分からない時には、自分の不勉強だと考える。その結果、アインシュタインは尊敬され、画家や作家はそうならない。画家のように、人間の懐疑主義に対して常に自己主張しなければならない生活で、本当に幸福になれる人は皆無に近い。
ただ、仕事を通して喜びを感じるのは科学者だけではない。何かの特技を伸ばした人なら誰にでも感じられる。但し、大向こうをうならせることなどを考えず、自分の技術を活かすことで満足を得ることができればの話である。
また、趣味に熱中するのも、幸福になる源泉のひとつである。
根本的な幸福は、人や物に対する友好的な関心ともいうべきものに依存している。
人に対する友好的な関心は、愛情の一つの形だが、貪欲で、独占欲の強いものはそうではない。こうした形は不幸の元になる。
幸福に寄与する愛情は、人々を観察することを好み、その個々の特徴に喜びを見出す類の愛情である。そして、人々の興味や楽しみが活かされることを願うのみで、彼らを左右する力を得ようとは思わない愛情である。この様な態度をとれる人は幸福になれる。
そこで、幸福の秘訣とは、あなたの興味を幅広くし、あなたの興味を惹く人や物にできるだけ友好的にすることである。
そして、幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人であり、また、こうした興味と愛情を通して、自分がその対象にされ幸福をつかみとる人である。
となっているが・・・・。
これに、自分の長所を活かし、周りの人から凄いと言ってもらえるものを獲得し、謙虚に生きる人も幸福になれると思いますが・・・。いかがでしょうか?

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