第58号2008年2月23日

「大阪再生を担う、大阪の外食のこれから」

 
関西の地理的把握として、神戸・大阪・京都の3大文化圏があります。これらは近いのですが、其々異なるライフスタイルがあります。簡単に言うと神戸はトラディショナル、大阪は庶民カジュアル、京都はアドバンスト貴族と言えると思いますが、今回は大阪再生を担うというテーマですので、大阪に搾ってお話したいと思います。
まず、大阪再生とは何か?私は「大阪は元気だ」という「評判」を創ること。大阪に賑わいを取り戻すことではなく、大阪全体を元気にすることだと思います。元気でない街に人は集まらないし、元気でない店に人は集まらないからです。また、元気さの一つとして安さがありますが、安さだけで闘うビジネスは成功しません。私が考える元気とは若さであり、革新性であり、行動力などの「質」の評価です。消費者は、イメージで消費します。「良い」から買うのではなく「良いと感じた」から商品を買うのです。それを「好きだから買う」と言うこともできます。その中心となるイメージが「元気」なのです。ですから、消費者は元気な企業の商品を買いたいと思っているのです。例えば、ナショナル・シャープ・ソニー等…。
ではつぎに、大阪を元気にする「素」は何でしょうか?
ここに「7カ国調査でみた大阪」というデータがあります。それを見ると、世界の国と都市の認識率ではパリの認識率(98%)はフランス(97%)よりも知られており、大阪(91%)は日本(95%)よりも劣っています。このことは国・地域の階層的分類でみますと、フランスがあり次にパリがある、日本があり大阪があるとなりますが、地域のブランド的分類ではフランスもパリも、日本も大阪も、全て並列に消費者の意識の中にあると考えられます。そこで、これからは、「関西と言わずに大阪と言おう」とすることで大阪の認識度を高めることが最初ではないでしょうか。
次に世界の都市の魅力は食べ物がおいしいことです。データ−では、大阪の魅力は新しい情報発信(いつも新しい)とグルメと教育となっています。そこで、これからの大阪再生は、外食産業(グルメ)の手にゆだねられる比率がかなり大きいと思われます。
そこで、再生ビジョンのために大阪の食の基盤となるものについて考えてみたいと思います。大阪人はお金を使うのがキライ(平均消費金額調査では全国で下から5番目)ですが、食費にはお金をかけます(消費額に占める食費の割合であるエンゲル係数では全国で上から3番目)。「食道楽」は大阪人の基本資質です。味覚も鰹節と昆布でとり、“うどんはツユや!”が代表されます。また、内海文化の大阪人は、いか・たこ・えび・さば・ぶり等を好みマグロをあまり食べません。また、大阪はソースと酢の文化とも言えます。事実、大阪には「酢」を使う料理(しめ鯖・バッテラ・ギョウザ等)が多く、大阪人の多くが「酢」を好みます。味ぽんの消費量も関東圏に比べ近畿圏では3倍になっています。
次に大阪の飲料基盤について考えてみたいと思います。「大阪の酒はビールと発泡酒」と言ってよいと思います。そこで、ビールに合う食べ物としては焼き物(例えば、焼肉・焼きそば・たこ焼き・お好み焼・いか焼き・ろばた焼き・焼きギョウザ等…。)が一番あうと思います。これからの大阪の味は「ビール+焼き物」をつなぐ「味の要素」にあるのではないでしょうか。これらを家庭で食することが良いと思われますが、大阪の持ち家比率は最下位の東京につづく2番目の低さです。借家の狭い家で焼きものをすると、すごい煙がでて臭いがし、いつまでもその匂いが残るのがいやな人が多くいます。すなわち、これらの焼き物を食べたいと思っている人が多くいますが家で作れない。という事になります。ここで、家庭で作れない、味わえない食事を外食に求めている図式が描けます。
そこで提案ですが、これからの大阪の食戦略として、
 
「焼き物」とビールの相性を生み出すのは「こげ」、
家で楽しめない食事は「こげ食」、
香化(こげ)食=香ばしさと歯ざわりを楽しむ食事。
 
香化を大阪の新しい外食文化のコンセプトにし、これを満足させる外食を考えてはいかがでしょうか?
香化食の外食化→   焼肉・焼きそば・たこ焼き・お好み焼・いか焼き・
              ろばた焼き・ギョウザ・焼き魚・お餅・ケーキ・煎餅

大阪再生ビジョン

温かいお香化、温かい大阪

香化食がおいしい、大阪のお店

 

そして、大阪の街を香化の煙で、元気にしよう。
 
高き屋に のぼりて見れば 煙り立つ 民のかまども にぎはいにけり(仁徳天皇)

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