第54号2008年1月27日

「黒字浮上!最終命令」

 
 「黒字浮上!最終命令」出向社長奮闘の記録、著者:猿谷雅治氏、ダイヤモンド社を読んだ。なかなか読み応えのある、面白い内容であったので紹介したい。
 
 1部上場企業の部長が、万年赤字子会社の社長に出向し、色々と苦労しながら再建していく過程を描いたもので実話に基づく物語である。親会社の社長からは「1年以内に黒字の目処がつかないときには会社を整理せよ」と命じられる。出向先の厳しい状況の中で、新社長は次々と方策を打ち出していくが、最初はほとんどの社員が元気もなく、やる気もない。しかしだんだんと意欲づけられ組織が動き始める。そして9ヶ月後、黒字浮上に…。というストーリーである。
 
一般的には、売上を上げ、会社を発展させるためには、多くの広告を打ったり、設備投資をしたり、新製品を開発したりというように戦略的な手をうつ。しかし、この万年赤字会社ではこのようなお金を投資する戦略的な手段を使えなかった。そこで、沢井(新社長)は、お金をかけずに内部管理で組織の活性化を計る、具体的には「目標による管理」の考え方と手法で変革を成し遂げ黒字にした。それらのポイントを簡単にまとめると
①トップのあり方として
組織を変えるには先ずトップ自身が変わること。その強い姿勢と熱意が組織活性化の原点であること
②改革の進め方として
システム的側面と人間的側面の両面から手を打つこと。つまり、仕事をする仕組みを作ることと、社員の自発性や主体性を高めるように持っていくこと
③活性化実現のために
システムと人間的両面から、間延びしないように次々と手をうっていくこと。活性化の決め手は、古い管理の考え(情報を流さず,命令統制する)を捨て、皆が内に持っているものを解き放たせ一緒に働くこと。
 
今年も昨年に続き、中堅・中小企業には景気がよいという実感があまり感じられないでしょう。この本は、戦略的なお金を使うことが出来ない中で、生き残っていく一つの方法として大いに参考になるのではないでしょうか?!

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