◆第47号2007年12月2日

社員教育は社長の最重要の仕事である!

 
 「社員がなかなか育たない」「優秀な社員ほどすぐに辞めてしまう」と嘆く社長が多くいます。そういう社長は、「社員教育をしても儲からない」「社員教育する時間もお金もない」と言い訳をします。「当社は社員教育をしっかりやっている」と社長が思っていても、成果が出ていない場合は、やり方が間違っているのです。多くの場合、研修会社やコンサルタント任せにしていたり、経営理念や仕事のあり方を教えないまま、知識・テクニックだけを教えているのです。このような発想では社員は育つどころか、辞めて行っても仕方がありません。
一般的に、業績を伸ばしている社長は志を持って事業をして、教育熱心な人が多いのです。会社とは、社長の志・理念・方針のもとに一貫した行動をとる組織でなくてはなりません。社長と社員の価値観が違うと本気で動いてくれないものです。だから、社長の価値観を社員に理解させ、共鳴させる働きかけ・教育が必要なのです。つまり、「社長とともに戦う同志をどれだけつくれるか」が社員教育の本質と言えます。社長にとって自分の価値観と会社の理念が一致することは当たり前です。しかし、社員の価値観と社長の価値観とは一致していないことがほとんどです。同じく、社長にとっては、自分のライフデザインと会社のビジョンは一致しますが、社員にとって会社のビジョンと自分のライフデザインとが一致するとは限りません。そのために、社長は事業の志・価値観を社員に共鳴するまで語り続けるから、理念とビジョンを共有・共鳴できるのです。社員のライフデザインに会社のビジョンの一部を役割として担うことが組み込まれたら、一枚岩の組織、強い組織が作れます。だから、社員教育は社長にしかできない仕事なのです。社員教育とは、社長の価値観を社員に浸透させる作業に他なりません。「儲かる」の漢字は「信者」と書きます。社員が社長を信じる信者になれば会社は儲かるようになるのです。私は、顧問先の社長には何よりも優先して社員教育に「お金」も「時間」、そして「情熱」をかけるように指導しています。
 とはいいながら、自分が勉強しようとしない社長には教育はできません。社長は社員に経営理念を浸透させるために何が必要か、社員がやる気を持つためには何が必要かを勉強しなければならなりません。社長は社員が育つ環境をつくることが何よりも大切です。教育と言うのは、他人の教育によって変わるものではなくて、当人の自己教育によって変わるものです。そのためには社員が自ら能力を開発できる習慣を身につけることが重要であると考えています。ここで、能力開発の習慣づくりの10項目をご紹介します。この習慣を身につけさせる仕事のさせ方、環境づくりが社員を育てるのです。
 
 (1)自分で主体的にやる習慣をつくる
 (2)いつも進歩発展をめざす習慣をつくる
 (3)他人の利益もはかる習慣をつくる
 (4)いつも「中心点は何か」を明らかにし、中心・骨組みで考える習慣をつくる
 (5)立場・観点を整理し、常に多面的な角度から考える習慣をつくる
 (6)いつも確定的要素から出発して考える習慣をつくる
 (7)行動のつながりで具体的に考える習慣をつくる
 (8)知識はすぐに使う習慣をつくる
 (9)できるだけたくさんの物事に関心を持つ習慣をつくる
(10)できるだけたくさんの人に接触する習慣をつくる
 
「知っている」ことと「できる」ことには、圧倒的な差があります。人は教えられて育つことには、限界があります。自分自身で気づき、行動しなければ成長しません。会社が勝ち残っていくためには、社員が自ら能力開発をする習慣づくりができる環境を提供していかなければならないでしょう。

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