◆第45号2007年11月19日

社長の品格が問われる時代に社長は何をすべきか?

 
 最近、「品格」をテーマにしている本が売れているようです。「国家の品格」「女性の品格」「男の品格」「会社の品格」と・・・品格本が大流行です。「国家の品格」の大ヒットから一躍、脚光を浴びた「品格」という言葉。それだけ礼儀作法や常識、マナーなど品格が失われていることの裏返しでしょう。最近のニュースを見ましても、企業の不祥事、社会保険庁のあきれた実態、エリート官僚の倫理観の欠如など品格なき事件があふれかえっています。今、国家・組織・個人すべてにおいて「品格」が問い直されています。なぜここまで「品格」がなくなっていったのでしょうか?
 そもそも「品格」とはどういうことを意味するのか?国語辞典では、「その人やその物に感じられる気高さや上品さ」と書いてあります。このような説明されてもなかなか良くわかりにくいと思います。では、「品格がない」と感じるのはどのような言動をする人でしょうか?
 ①他人に責任を転嫁する ②権力にこびる ③嘘をつく、ごまかす ④利己的である ⑤他人に嫉妬する
 ⑥人の話を聞かない ⑦相手の気持ちを考えない ⑧人を見下す ⑨ルールを守らない ⑩金儲けにこだわる…など上げればキリがありません。
私は仕事柄、社長の品格が失われていることに大変失望しています。社長が効率を追求し、業績を上げていくことは大切ですが、「徳」を失った拝金主義になった結果が、多くの不祥事を生んでいると思うのです。昨今の会社の不祥事の根幹は、すべて社長の人格の欠如に端を発しているといっても過言ではありません。社員にとっても、経済的・物質的に豊かになったにもかかわらず、多くの社員は満たされず、不安を抱えながら生きていることの本質は、人としても「品格」が欠けていることに原因があるように思います。社長に品格がないと社員も人としての品格が失われていくのはないでしょうか。
私は社長にとって一番大切なことは、「良い人間づくり」であると考えています。礼儀や相手を敬う態度は、仕事ができる、できない以前に、人として必ず身につけておかなければならないことです。家庭教育や学校教育が教育の本質を見誤っているため、こうした躾(しつけ)や人間教育をなおざりにしています。今日、若者の礼儀やマナーが崩壊しているのは、家庭教育や学校教育の問題でますが、そのことをここで批判しても意味がありません。これからは、会社が家庭や学校に代わって、人として身に付けるべき礼儀やマナーを徹底的に教える必要があります。2010年からは、「ゆとり教育」を受けて育った世代が、続々と職場に進出してきます。「ゆとり教育」を受けた、子どもたちは「基礎学力の低下」「学習意欲の個人差の拡大」などと言われております。今の若者を見て感じることは、考えない、感情がない、やる気がないと言う前に「躾(しつけ)」が全く出来ていないことに問題を感じます。今の若者たちを躾により人間性を磨き、いかに「魅力ある良い人間」に育て上げるかが会社の役割、社長の役割であると考えます。
社長が「良い人間づくり」を実践していくためには、社長自身が魅力的な良い人間でなければなりません。はたして、あなたは社員のロールモデルとして社員がついていきたくなるリーダーでしょうか?トップとしての品格を備えているでしょうか?自問してみてください。今や採用市場は、学生にとって超売り手市場です。学生が社長を選ぶ時代です。社員も社長を選ぶ時代です。これからは、社長の力量と人間性を見る目が社員に必要になります。「この人はリーダーとして尊敬できる人物か?」「この人についていって大丈夫か?」と問うことが求められます。ですから、社長は日々精進し、人生哲学と経営理念と照らし合わせて会社をどの方向に運営するのか、どのように社会貢献するのか、社員にどんなやり甲斐を与えるのかを考えなければなりません。これからは社長は儲けるだけではなく、品格を磨き続けないと社員から見放される時代になったと言えます。

お問合せ・ご相談はこちら

ご不明点などございましたら、
お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

お電話でのお問合せはこちら

06-6228-8152

社員から尊敬され1年でバトンタッチできる経営者に育成する「後継者個別指導 鋳方塾」を運営し、二代目教育に注力!