◆第41号2007年10月21日

社長が期待している管理者は「イエスマン」ではなく、「変革型リーダー」だ!

 
 最近、どうも管理者に元気がないように感じます。これまでの管理者は、社長の理念や方針を現場へ伝えるとともに、現場の問題や意見を吸い上げて社長に伝える情報の伝達の役割、そして、チームをまとめて部下を引っ張っていく役割がありました。先日もある社長が、「うち管理者は十分に役割を果たしていない。世の中が大きく変化しているのだから、管理者の役割は以前とは比べ物にならないくらい変わってきているにもかかわらず、その自覚がない」と嘆いていました。実は、この会社だけではなく、私にご相談にくる多くの社長の悩みが、現場を担う管理者をどのように育てていったらよいのかという相談です。今回は、管理者に求められる役割の変化について考えてみましょう。
かつては、社長からの指示や命令を部下に上意下達で下ろしていく「ピラミッド型」の情報伝達でした。管理者に権限委譲し、管理者は権限の範囲内で与えられた課題を受けて、その解決策を考え実行することで業績も伸びて来ました。それが、日本企業の強さの秘訣だったのではないでしょうか。しかし、これまでの環境やパラダイムが大きく変わり、かつてのマネジメントが通用しなくなりました。成果主義人事が導入されることにより、社員の自立化、少数精鋭組織、情報化が求められ、管理者は困惑しているようです。自ら課題を設定し、部下を巻き込んで問題解決せよと求められても、若手社員とのコミュニケーションが難しくなり、若手社員のモチベーションが上がらない、チームがまとまらない、あげくの果ては若手社員が辞めていくという始末です。また、現場では日々問題が噴出し、その火消しだけで管理者は大変であるのが実態です。このように、従来のピラミッド型からフラット型へと変わり、管理者の権限が縮小しています。さらに、若い優秀な社員を抜擢し、彼らのアイデアや発想を取り入れる企業も多くなってきました。これからの管理者はどうあるべきでしょうか?一言で言えば、「変革型リーダー」です。さて、社長が期待する変革型リーダーとは、どのような管理者なのでしょうか?
(1)社長から指示されたことだけをこなすのではなく、あるべき姿とそれを達成する課題を社長に意見具申する。
(2)トレンドや顧客のニーズからチャンスを発見して、新しい事業やサービスを創造していく。
(3)目標を達成するために、部下のモチベーションを上げ、チームのベクトルを合わせる。
 
本来、「管理者」とは、社長からも部下からも信頼され、組織の力をひとつのベクトルに向けて結集する要の存在です。そのためには、上からも下からも信頼されるだけの「人間力」を備えることが大切です。他人には絶対に負けない「何か」を身に付け、それでいて謙虚で、思いやりのある人間であること。しかも、他人に対してはもちろんのこと、自分に対しても厳しく、ここぞというときには部下を叱り、励まし、目標達成のために組織をまとめ上げる力を持つこと。また、社長の「知恵袋」として、つねに幅広い知識を吸収し、視野を広げ、状況判断や事業運営、危機管理などの能力を磨くこと。そして何より、「社長の分身」として、その意志を十分に汲み取り、現場にきちんと伝達するコミュニケーション能力を磨くこと。これらの力を磨くことが「変革型リーダー」になるために必要になってきます。これからの新しい時代の管理者になるために、人間力を磨き、「人間としての幅」を広げることにより、社長から「お前に任せれば安心だ」と信頼され、部下から「この人に従えば大丈夫だ」と尊敬される存在になりましょう。

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