◆第38号2007年9月30日

あなたの1時間の給料はいくらですか?

 
 最近、セミナーや研修をしていると会社から給料をもらって勉強をしているのにも関わらず、仕事と思って取り組まない幹部や管理職の方々が、多くなってきています。また、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」「なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?」などの会計の書籍が売れているように、コスト感覚のない人、時間をコストと考えていない人が多くなってきているように感じます。
さて、幹部・管理職の皆さんは、下記のご質問にすぐに答えることができるでしょうか。
①あなたの1時間の給料はいくらですか?
②あなたの1日の給料を支払うために、いくらの売上が必要ですか?
③あなたが会社に十分貢献するためには、年間、最低いくらの売上が必要ですか?
考えたことがないと思っているようでは、幹部・管理職失格です。全社員社がコスト意識を持って仕事をすれば、間違いなく会社の業績が伸びます。
 
①あなたの1時間の給料はいくらですか?
例)年収(税込み)1000万円、年間労働日数250日とします。
1000万円÷250日=4万円/日 
4万円÷8時間=5000円/時間
5000円÷60分=約83円/分
 
②あなたの1日の給料を支払うために、いくらの売上が必要ですか?
例)あなたの会社の損益計算書の一部が以下の通りであるとします。(売上を100とした場合)
 売 上     100
 仕入れ    ▲80
 経 費    ▲15
この場合、売上総利益(粗利益)は20(売上−仕入れ)となり、そこから経費(販売費及び一般管理費)を差し引くと「5」が営業利益です。給料は売上総利益、つまり「粗利益」から支払われます。売上が100のときに売上利益が20あるこの会社の売上総利益率(粗利益率)は、20÷100×100%=20%になります。
あなたの1日の給料は4万円ですから、これを売上総利益率の20%で割ると、4万円÷0.2(売上総利益率20%)=20万円の売上が必要となります。
 
③あなたが会社に十分貢献するためには、年間、最低いくらの売上が必要ですか?
会社は、直接利益を上げる営業部門だけでなく、人事、経理、開発、生産、物流などの部門に所属する人たちにも、給料を支払わなければなりませんし、将来に投資するための利益留保や株主への配当金なども必要です。
 これら全てをまかなうためには、管理職以上の場合、自分の給料の6倍の売上総利益を稼ぐ必要があると私は考えております。幹部や管理職が、会社に貢献するためには、4万円×6倍=24万円(売上総利益)を稼ぎ、1日の売上にすると120万円、年間の売上にすると120万円×250日=3億円を稼がなければなりません。さて、あなたはいくら稼いでいるでしょうか?あなたは胸を張って「立派に会社に貢献している」と言えますか?
 
人件費の高さを理解できれば、人材を有効に活用できないことが、いかに「もったいない」ことであるかが分かるはずです。限られた人材をいかに適材適所に配置し、きちんとした教育・訓練を施して人材力を高めるかが、中小企業の生命線です。また、あなた自身だけでなく、部下にも「コスト意識」を浸透させれば、社内全体に経営参加意識を醸成できるでしょう。幹部・管理職の皆さん、ぜひ一度、このような勉強の機会を設けてみてはいかがでしょうか?

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