◆第36号2007年9月18日

5Sが徹底できている会社は、ここが違う!

 
最近、色々な企業の管理職から、「挨拶をしない」「報告がない」「整理・整頓ができていない」など、当たり前のことを当たり前にできない部下が多いのでどうすればいいかとご相談があります。私は、その相談があれば、「あなたの当たり前とは、どのようなことでしょうか?」「あなたは当たり前の事ができていますか?」と問いかけます。例えば、部下がいつものように、机の上を散らかして帰ろうとしたので、「整理整頓して帰りなさい」と命じました。すると部下は、机の書類を隅にまとめて置きました。あなたは、「それでは整理整頓になっていない」と叱りますが、部下は整理整頓をしましたと言います。この場合、決して部下に悪気があるわけではありません。整理整頓がどのようなことかということを部下は知らないだけなのです。このようなことは、どの会社でも日常的に繰り返されています。
このような上司と部下の間の「認識のギャップ」を埋めるには、「何が当たり前なのか」「どういう形が、あるべき形なのか」という決まりごとを明確にし、それを共有するために、日頃から積極的にコミュニケーションを図ることが大切なのです。また、上司が部下に指示や命令をしたことは、上司が率先垂範していなければなりません。上司の机が汚いのに、整理整頓をしろと命令すると、部下は「言っていることと、やっていることが違うじゃないか!」と思い、信頼関係を失い、辞める原因になりかねません。では、この「当たり前」のことを徹底するための「5S」をご紹介しましょう。
 
■5Sとは
「整理」必要な物と不用な物を区別し、不要なものは捨てること
「整頓」必要なものを、必要なときに1分以内で取り出せる状態にしておくこと
「清掃」機械、設備、床などをきれいにし、保守点検を促進し、機会などの稼働率を上げる
「清潔」整理・整頓・清掃された状態を維持し、働きやすい職場環境を作ること
「躾」気持ちのいい挨拶、返事、職場規律などを身に付け、正しい作業ルールを守る体質を作ること
 
5Sは、いい会社、伸びる会社を作るうえで欠かせない「当たり前」のことです。「当たり前」のことを、「当たり前」に実践させることは、難しいです。5Sの意味は分かっているが、時間がないといい訳をしたり、徹底するために呼びかけても一時的に終わってしまう場合などあります。最初は、しっかりと意識をして、何度も反復して覚えこませることが必要です。毎朝の朝礼で、「わたしたちは、整理・整頓・清掃・清潔・躾を励行します」と繰り返して唱和させてみてください。人間は、自分が繰り返し語る言葉に対して、知らず知らずのうちに身体が反応する習性があります。3ヶ月もすれば、社員一人ひとりの仕事の能率や安全性が高まり、オフィスや工場全体が整理整頓され、驚くほど変わるでしょう。5Sを徹底すると、優秀な人材も育ち、定着もします。社長も役員も全員参加して、自ら率先して取り組んでいきましょう。

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