◆第35号2007年9月9日

会社を黒字にする社長はここが違う!

 
 私は仕事柄、東京、名古屋、広島、福岡、鹿児島など全国を飛び回っており、月の三分の一は、ホテルで宿泊しています。また、年に2回は海外に旅行することにしております。最近のホテルは、ほとんどが海外の高級ホテルや高級リゾートを真似をしているように感じ、日本の良さが薄れてきているのではと思います。昨今、ホテル業界では「2007年度問題」といわれ、東京においてはザ・リッツ・カールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京などの世界に名だたる外資系ホテルが軒並みオープンしており、ホテルの生き残りをかけた競争が厳しくなっています。高級ホテルの過当競争が懸念されるなか、ビジネスマンを相手にした低料金の宿泊特化型ホテルの台頭も著しく、生き残りのために顧客ニーズを捉えた独自の路線で利用客を引き寄せる魅力的なサービスが生み出せるかが今後のホテル業界の課題といえます。高級ホテルへの対抗策として、多くのホテルの生き残り戦略が低料金化にあるのでしょうが、それ以上に、顧客は誰なのかを明確にして、ホテルとしてどのようなサービスを行っていくのか、他のホテルとどのように差別化していくのかがもっと大切です。戦略やコンセプトが重視されることこそ、ホテル業界そのものの質の向上や、そこで働くホテルマンの誇り、ひいてはやり甲斐にも繋がると思います。今後は、より一層「顧客の視点」に立った情報システムやホスピタリティを強化し、コンセプトはハイグレードかエコノミーのサービス業を目指していくことが、ホテルが勝ち残っていく課題と言えるでしょう。
一方、旅館に目を移してみますと、法人需要で賑わった温泉の老舗旅館でさえ、倒産の憂き目を見るようになっています。ところが最近は、閉鎖された旅館を「再生」して蘇らせるケースが目立って増えてきています。この厳しい環境の中、株式会社星野リゾートは、老舗温泉ホテルを改革し、2001年破綻(負債147億円)したリゾナーレ小渕沢を再建し、3年で黒字経営に蘇えらせ、最近では老舗旅館の再生を行っています。なぜ、この厳しい環境の中、リッツカールトンや星野リゾートが業績を伸ばしているのでしょうか?これらの企業に共通することは、リピート率を上げるための顧客サービスを実現するために、現場への権限委譲と「チームワーク」でとりくんでいることです。職位、勤続年数、年齢、性別に関係なく、ビジョンを共有し、それを達成しようとするチームづくりを徹底しています。星野リゾートは、リゾート運営のノウハウを蓄積し、秀逸なオペレーターとして 顧客満足と環境に配慮した形で確実な収益を上げていく「リゾート運営の達人」を目指しています。企業ビジョンに共感し、自らの力を伸ばし、自由な主張と行動を通して組織に貢献することが、アルバイトやパートにまで伝わっているからこそ、業績を伸ばし続けている一番の理由ではないでしょうか。黒字会社になるか、赤字会社になるかを決める最大のポイントは、社長にあります。星野リゾートの社長の星野氏は、コンセプトづくりに社員を参画し共感を得た策を実施しています。社員にコンセプトづくりまで参画させることで、社員が自ら考え、自ら行動するのです。では、黒字会社になれる、社長がすべき仕事とは以下の6つです。
 
①利益の出るしくみを作り続けていくこと
②経営理念や経営方針を策定し、それを徹底させ続けていくこと
③より良い方向へ変化し続けていくこと
④いろいろな問題を乗り越え続けていくこと
⑤仕事を通して社員を成長させ、会社を発展強くし続けること
⑥社員には最高の満足を与え、お客様には最大の信頼を得るために努力をし続けること
 
利益が出なくなり、あせった社長が、よく部下に対して、「もっと利益を取れ!」とはっぱをかける状況をよく目にしますが、これは逆効果であることに気付かないのです。仕事を通して社員を教育し、成長させ、社員に最高の満足を与えることで、お客様から最大の信頼を得ます。皆さんの会社は、アルバイトやパートまで理念を浸透させ、社員に最高の満足を与えているでしょうか。

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