◆第28号2007年7月22日

社長は「良い人間」づくりを忘れるな!

 
企業は社長の力量で90%が決まる、特に中小企業では99%が社長で決まると言われています。昨今の企業の不祥事をみるとよくわかります。社長の姿勢や考え方が部下の心をゆがめてしまい、企業が崩壊していることを考えると、100%社長で決まるとも過言ではないでしょう。一方、「企業は人なり」とも言われています。企業にとって一番大切な財産は、そこで働く人々ということですが、多くの社長は間違った解釈をしています。企業は人で決まるの「人」は、「社員である」と錯覚していることに驚かされます。社員の考え方・行動は社長がつくっていることに気づいていないのです。このような間違った思い込みが、問題を社員の責任にしてしまって、社長の責任をあいまいにしているのです。企業は人で決まると言いますが、その「人」とはまぎれもなく「社長自身」です。規模の大小はあるにしても、社長には全ての権限が集中しているので、社長が考えていること、評価すること、決めたことに基づいて社員が動くのです。このように、良い悪いは抜きにしてワンマン経営といわれる所以はここにあるのです。突き詰めれば、「良い会社」「悪い会社」があるのではなく、「良い社長」「悪い社長」がいるだけかもしれません。
「良い社長」「悪い社長」、つまり企業を発展させられる社長と発展させられない社長はどこに違いがあるのでしょうか?私は社長の人間観にあると考えます。3大経営資源に「ヒト」「モノ」「カネ」がありますが、「ヒト」を経営資源として扱うのは間違っています。これからの社長は、使用人発想ではいけません。今や社員はお金のためには働かなくなっています。個性を生かしたい、人間的に成長したいというように、キャリアや自己実現を強く求めるようになっています。まずは、人間として人格を認め、「良い人間」に育てていくという教育者の姿勢が社長に必要です。考え方や理念をキチンと教えることで「良い人間」をつくった上で、キャリアを積ませなければ、本物の人材には育ちませんし、社員も自己実現を果たせません。
では、「良い人間」はどうすれば育つのでしょう?一番大切なことは、社長自身がお客様、部下に感謝する気持ちを持っているかどうかが最も大切です。社長が、社員一人ひとりに、心の底から「こうやって会社がやっていけるのも君のおかげだよ。ありがとう」と感謝しているかです。お客様第一主義をスローガンとして掲げているだけではいけません。お客様に喜んでいただいたことでお金を頂いているのだと、心からお客様に感謝して、お客様の喜び・満足を日々追いかけているかどうかです。社長自身が「良い人間」からかけ離れて、創業の理念を忘れ、金儲けのために売上や利益を追いかけてしまうという過ちを犯していないでしょうか。まずは、社長自身が「良い人間」でなければなりません。「良い人間」づくりには、色々な要素がありますが、私は3つのことを教えています。
①信頼できる人間をつくること
②感謝の心を持つ人間をつくること
③利他の心を持った人間をつくること
「良い人間」をつくるために、社長が最大のエネルギーを使わなければいけない時代になってきました。即戦力ということで、スキルやテクニック、実務知識ばかりを教育したり、理念や哲学を忘れて売上や利益のことばかり言っていると、社員は本当に大切なことを見失ってしまいます。社長にとって、理念・考え方を社員に教えるほうがはるかに大切であることをご理解いただきたい。

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