◆第27号2007年7月15日

「なぜ仕事をするのか?」を部下に教えられますか?

 
 私はよく研修で、「なぜ仕事をするのですか?」と質問するようにしています。昨今、若い人の働く意識の低下が問題になっていますが、私は彼らに働く意味を教えられない親や上司に問題があると感じています。先般、ある企業の幹部研修で、『若手社員から「なぜ働くのですか?」とたずねられたら、どう答えますか?』と質問してみました。彼らからはあまり明快な説明が返ってきませんでした。幹部たち自身が、今までなぜ仕事をするのかを考える暇もなく、一生懸命に仕事してきた人が多かったのです。頑張れば給料も地位も上がり、管理職になったころには、ノルマに追われ、社長と部下の板ばさみにあっても、子供の教育費、住宅ローンの返済のために頑張ってきたのです。多分、多くの人は、ライブドア元社長のホリエモンや村上ファンドのような「お金が儲かれば何をしてもいい」という仕事の姿勢には、「それは違う」と嫌悪感を持ったのではないでしょうか。にもかかわらず、「なぜ仕事をするのか」と改めて問われると、ほとんどの人が明快に答えられません。決してお金のためだけに働いているとは思っていないでしょうが…
 
 みなさんはイソップの寓話で「3人のレンガ職人」の話をご存知でしょうか?
ある旅人が道を歩いていると、3人の職人がレンガを積んでいるのを見かけました。
それを見て、旅人が1人の職人に聞きました。「何をしているのですか。」
 
・Aの職人:「見ればわかるだろう、レンガを積んでいるんだ」
先ほどより、元気にレンガを積んでいる職人を見かけましたので、同じ質問をしました。
・Bの職人:「ここに大きな壁を造っているんだ」
最初の職人と違い、テキパキとレンガを積んでいました。
さらに先に、イキイキと働いている職人を見ました。重そうなレンガを運んでいます。その職人にも同じ質問をしました。
・Cの職人:「俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだ!」
 
レンガを運んで積み上げるという仕事は同じなのに、この3人には何が違っているのでしょう?明らかに、仕事に取り組む意識が全く違います。上司の仕事がCのレンガ職人のようであったら、部下はこの仕事はやりがいがあるいい仕事だと思うことでしょう。反対に、Aのレンガ職人のように上司の仕事意識が低ければ、部下の仕事意識はもっと低くなり、仕事にやり甲斐すら感じることが出来ません。これから企業が勝ち残っていくためには、上司が仕事の意義や信念を持ち、部下に「なぜ働くのか?」という仕事観を若手社員にキチンと教えられるかが重要になってきます。
ちなみに、私は新入社員や若手社員には働く意義を次のように教えています。
   ① 物心共に豊かになり、人間として成長するため 
   ② その仕事を通して世の中に貢献するため

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