◆第22号2007年6月10日

部下をやる気にさせる「誉め方」

 
先日、ある社長様にお会いしましたら、「先週のブログ“上手な叱り方”勉強になりました」と言って頂きました。「次は、“上手な誉め方”を教えてください」とご要望がありましたので、今回は「誉め方」を取り上げます。最近の若手社員は、「冷めている」「忍耐力がない」と良く言われますが、管理者が部下の仕事に対するやる気・意欲を上手く引き出せていないからではないでしょうか。部下にとって最大の環境は上司である管理者です。管理者次第でやる気にもなったり、辞めたくなったりするものです。部下をやる気にさせるには、部下全員を公平に扱い、正しい評価の基準を持って、叱るべき時には叱る、誉めるべき時にキチンと誉めることが大切です。しかし、現場で「誉める」を実践しようとしても、こんなレベルでは誉められないという自分基準で部下を見たり、優秀な部下と比べたり、また自分たちの時代は叱られて育ってきたところもあり、なかなか誉めることができない管理者が多いようです。その社長様も「部下の誉めるところなんてないです」と部下の欠点ばかりを指摘していました。でも本当にそうでしょうか?その社長様に「本当に部下のことをよく見ていますか?」と伺いましたら、さほど部下を見ていないですし、部下と話し合いもしていないようでした。部下がよい成果とは何か理解できるように、基準を確立し、それを明確にはっきりと伝えることが大切です。よい業績だけでなく、すばらしい努力も誉めるようにすること。部下の視点から仕事を見るようにすれば、誉めるところがたくさん見えてきます。そして、部下への期待とその評価について定期的に話し合うことが必要でしょう。このように、管理者次第で部下のやる気が変わり、会社・組織の業績が激変します。
上手な誉め方チェックリストをまとめてみましたので、できているかチェックしてみてください。
 
●チェックリスト
1.部下の良いところ、長所を見つけようと意識しているか
2.良いところに気づいたらその場ですぐに誉めているか
3.どこがいいのかを具体的に誉めているか
4.事実を素直に誉めているか
5.誉めた行動がいかに有益であるかを一言いっているか
6.握手したり、肩をたたいたりして誉めているか
7.誉めた後の自分の気持ちを素直に言っているか
8.さらに「頑張ろう」と激励しているか
9.人前で誉めているか
10. 照れずに誉めているか
 
先週の上手な叱り方に引き続き、誉めるということも難しいという人は、部下をしっかり見ていない、部下を評価する基準がない、部下とその基準を共有していないことに原因があります。普段から、部下をしっかり観察する習慣をつけていかなければなりませんが、誉めること、叱ることが目的にならないようにして下さい。誉めること、叱ることの目的は、部下を教育することです。部下教育で重要なことは、「『教』が『育』を超えてはならない」ということです。誉める時も叱る時も、すぐに答えをだしてしまうことや何でも教えてしまうことは、部下が自分で考える努力を奪うことです。本人が持っている素晴らしい素養を「育む(引っ張りだしてあげる)」ように、管理者は部下が自ら育つ意欲を高めるために、誉めることや叱ることを行うのではないでしょうか。

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