◆第21号2007年6月3日

部下をやる気にさせる「叱り方」

先日、ブログの読者から、「部下を上手に叱る方法を教えてください」というご質問がありました。最近、叱ることのできる上司が少なくなったと言われています。叱ることができない上司が多いのは、怒らない人が増えてきているからではないでしょうか。私は、怒らないから叱れないという感じがしてなりません。上司としての想いが熱くないから、怒るほど腹が立たないのかもしれません。最近の上司は、優しすぎます。部下に嫌われたくないから、部下に対して嫌なことが言えなくなっているのでしょう。本質は、部下に対して冷めているというか、しらけているというか、部下に対して愛情を持っていないからです。「物わかりのいい上司」になってはいけません。上司は部下に対して愛情を持たなければなりません。部下に関心を持つから怒るし、愛情があるから叱るのです。
ここで考えなければならないのは、「叱る」と「怒る」は似ているようでまったく違うということです。「怒る」とは、ただ感情を表に出しただけで、愛情のある行為ではありません。愛情がなければ、叱ることはできないものです。「叱る」とは、怒っている感情を理性で抑え、教育の視点に立って、部下の非や責を改めさせるために指導をすることです。しかし、「怒る」という感情を使ったほうが部下の心にズシッと響いて行動が変わることもあります。何よりも大切なことは、上司は部下に愛情をもって、部下を常に見てあげることが必要です。部下をよく見て、叱るべきときに、人間性を攻撃せずに、仕事のミスや行為を叱ることが大切です。
上手な叱り方チェックリストをまとめてみましたので、ぜひチェックしてみてください。
●チェックリスト
  1 部下に対する関心は強いか
  2 感情的にならず冷静に叱っているか
  3 事実に基づいて叱っているか
  4 部下の間違いやミスに気づいたらすぐに叱っているか
  5 間違いやミスを具体的に指摘して叱っているか
  6 くどくどと説教せずに、簡明に叱っているか
  7 相手をよく見て叱っているか
  8 叱った後の自分の気持ちを素直に述べているか
  9 人間性に触れずその言動に限定して叱っているか
 10 叱ったらそれでおしまい、一件落着という気持ちになっているか
いかがだったでしょうか。理屈ではわかったとはいえ、叱るということはなかなか難しいものです。多くの場合、自分では叱っているつもりでも、部下は怒られていると感じていたりします。チェックリスト通りに叱っても、部下に対して、一人前に育ってほしいという愛情がなければ、ただの口うるさい上司でしかありません。上司の愛情が伝わったとき、上司と部下の人間関係は本物になります。愛情を持った上司こそ、本当の意味で部下を動かせる上司だと思いませんか

お問合せ・ご相談はこちら

ご不明点などございましたら、
お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

お電話でのお問合せはこちら

06-6228-8152

社員から尊敬され1年でバトンタッチできる経営者に育成する「後継者個別指導 鋳方塾」を運営し、二代目教育に注力!