◆第13号 2007年4月8日

新入社員が3年で辞めてしまう原因は管理職に問題がある

今年も新入社員研修の講師を担当させていただき、私自身の気持ちが大変フレッシュされました。自分の新入社員の頃を思い出すと同時に、彼らのビジネス人生の門出に大きな影響を与える重責を痛感しました。さらに、これからの日本の発展を担う大変貴重な人材であることに大いに期待をもってご指導しました。

しかし、最近、若手社員が定着をしないと相談されることが多くなりました。正社員として就職した若者が簡単に会社を辞めていくことが大問題になっています。「七五三現象」(入社3年以内の離職率は中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割程度)が、どこの企業でも起こっています。私は、新入社員が辞めるか辞めないかは、管理職にかかっていると断言できます。中小企業であれば社長でしょう。
今の若手社員に聞いてみますと、「こんな先輩・こんな上司みたいになりたい」とあこがれる人が社内にいないと言います。私の新人時代(30年以上前)では、「自分も頑張って、部長のような人になりたい」「課長についていきます」などといった目標となる管理職がいました。しかし、最近では、「部長になんか、大変そうだしなりたくない」「管理職になったら、残業代つかないし、仕事が増えて面倒くさい」などと思う若手社員が増えています。
今後の教育は、即戦力ということで若手社員の教育も大切ですが、それよりも管理職(リーダー)を育てなくてはならないと思います。管理職は権限や地位でなく人間性が問われますし、若手社員にはテクニックやスキルを教えることよりも、経営理念や経営哲学を共有しなければ、社員と管理職、社員と会社の絆は生まれないと思います。管理職が信念と使命感を持って仕事に打ち込み、若手社員と経営理念と経営哲学を共有し、働く意味を教え、やりがいを与えることができなければ、社員は給料や仕事内容だけで会社を選び、いやになれば次々に転職していくことになりかねません。
今週は、若手社員が管理職やリーダーに対して、どのようなことを期待しているのか?について書いてみました。
 
1,仕事が良くできプロ意識が感じられる人(自分に厳しい)
2,仕事の目的をよく分からせてくれ、教える技術のうまい人
3,いつも気軽に相談に乗ってくれ、元気づけてくれる人
4,言ったことには、必ず責任を持ってくれる人
5,あまり無茶な要求をしない人
6,成長したら、必ずそれを誉めてくれる人
7,「マナ−」や「けじめ」を正しく指導してくれる人
8,言うこととやっていることが一致している人
9,物事に対する自分なりの判断基準を持っている人
10,明るく元気で素直な態度の人
11,欠点があってもどことなく人間味があって愛せる人
12,「叱る」、「誉める」の判断基準が明確な人
13,仕事だけではなく、秀でた趣味や幅広い教養のある人
14,将来のことや悩みなどについてアドバイスしてくれる人
15,自分の人生に夢や希望を持っている人 など。
 
全てを満足させることは難しいでしょうが、1つでも多く「YES」と答えられるようにならなければいけないのではないでしょうか。管理者は自分の得意なところをどんどん伸ばして、若手社員から「尊敬」される人物になっていただきたいものです。そうすれば若手社員がイキイキのびのび働き、会社はますます成長していくのではないでしょうか。

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