◆第11号 平成19年3月25日

経営者の仕事は、利益の出る仕組みを作り続けていくこと

 
バブル崩壊後、日本経済は十数年間停滞が続いてきましたが、ここ数年でデフレを脱却し日本経済は回復してきたと言えます。上場企業は、バブル時代を超える最高の利益を出しており、大企業全体として良くなっています。一方、地方経済や中堅・中小企業に目を向けると、なかなかそこまでいっていないのが現状です。最近の傾向としては、社会全体が二極化しているように、利益を出している黒字会社と赤字会社の二極化が益々進んでいます。しかしながら、中堅・中小企業はすべて負け組ではなく、黒字会社になるか、赤字会社になるかは経営者次第です。つまり、経営者が二極化していると思います。
経営者の信念、豊かな構想力とリーダーシップ、現状に満足しない将来ビジョン、今後の成長と利益を出す最適なビジネスモデル、経営資源の有効活用などにより、不利な条件を克服した経営者だけが勝ち組になれるのです。
勝ち組になりたいとすべての経営者はお思いでしょうが、次の3つのことに取り組むことが大切であると考えます。
 
(1)利益の出る仕組みを作り続けること
“利益はお客様の満足料である。”と考えています。そのためには、経営者は“お客様第一主義”でなければなりません。経営者は全力で、お客様が満足する商品やサービスを考え、その商品やサービスで利益の出る仕組みを考える必要があります。
利益が出なくなるということは、社会があなたの会社の商品やサービスはもう不要だと言われているのと同じです。いかに環境の変化や顧客ニーズの変化に対応していくかが顧客満足、利益確保につながるかを決定します。
 
(2)利益率を絶えずチェックし利益感覚を鋭くすること
売価をいくらにするのか?その時の粗利益率はいくらにするのか?は大変重要な問題です。会社の生死に関わる問題だからです。しかし、実際にはこの問題を独自で決めるわけにはいきません。業界の慣習、ブランド力、デザイン、機能、品質、アフターサービス、さらには全くの新製品であるかどうかなど、お客様のニーズによって異なってきます。
自社と他社とを比較し、この価格で売れるのか、かつ利益が得られるのかをよく検討しなければなりません。この時に利益感覚が鋭くなければこれで良いのか悪いのか、自社が今どうゆう状況にあるのかも分からなくなります。仕入先とお客様、自社の三者が納得する価格設定にするには、経営者としての利益感覚が大いに発揮される場面です。
 
(3)利益が出なくなってきたらどうするのか
卸売業や小売業では品揃えを考え直すことが大きなポイントになると思います。例えば、小売店であれば、一日のお客様の来店数や、どのようなお客様がどの時間に来店されるのかなどを調査し、お客様のニーズに合った品揃えを考えます。又、メーカーでは、それぞれどのような物が好まれるかを考え、絶えず新製品を開発していかなければなりません。
また、業態の開発、新規事業の開発、経営の多角化、時には事業転換などを図らなければならない時もあります。どうすれば利益を得ることができるか。そして勝ち残ることができるかを考えなければなりません。この仕事は経営者にしかできません。
今やこれまでの常識や経営手法は、通用しなくなってきています。今ほど経営者の舵取りが難しい時代はないといっても過言ではないでしょう。「勝ち組企業」になるためには、「お客様にとって価値ある企業」すなわち『価値組』企業となることが、これまで以上に重要になってくると思います。『価値組』企業のみが利益を確保できるということを肝に銘じていただきたい。

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