◆第5号 2007年2月11日
人間中心主義の経営が今後の日本的経営に必要だ!
最近の新聞やテレビのニュースでは、M&Aやファンドなど米国型の資本の論理がどんどん日本に入ってきています。日本企業はアメリカ流の経営に大きく流れていって、株価や時価総額で評価し、会社や事業を売買するなど、「人」を軽視して、「お金」というものさしで見る傾向が強くなっているように思います。本来、企業は「人」で成り立っており、モノやサービスなどの価値を生み出すのは「人」ではないでしょうか?日本企業の強さであった「人財尊重、企業と社員の信頼の経営」が無くなってきているのではないかと思います。Japan as No.1と評価された人間中心主義の日本的経営はどこに行ってしまったのでしょうか?
今週は、これからの日本的経営について考えてみました。
1.グロ−バル化、情報化の流れは今後益々加速される。
2.米国式の経営システムをそのまま取り入れることは自殺行為であるが、米国式経
営の良いところは取り入れるべきである。
3.アメリカ崇拝主義から脱却し、日本独自の経営システムでなければ上手くいかない。
4.それは人間中心主義の経営である。(株主や資本が最優先ではない)
5.人間中心主義と米国式を上手く融合させて独自のシステムを作り上げること
ではないだろうか。
★具体的には
1.経営者は信念を持って明確な経営ビジョンを示し、それを実現させる明確な戦略
を社員に示す。(経営者は自信・信念を持て!)
2.社員はそれを受けて、各自の目標を明確にし、その達成のために全力を尽くす。
3.人間性、自律性を尊重し、公正で透明な人事評価制度で成果主義賃金の実現を図る。
いかにして社員を「やる気」にさせるかが課題
・優秀な人材が安心して働ける仕組み
・働きに応じた公正な処遇、給与システム
・教育システム(IT化、グローバル化に対応できるように)の確立
・高齢者のノウハウが企業で有効に活用できる仕組み 等…。
4.経営のIT化を推進し変化を先取りし、対応をスピ−ディ−に行う。(情報の共有化)
5.自社の強み(独自の商品・サ−ビス・技術など)に経営資源を集中させる。
6.社会貢献(CS、環境保全も含む)をする。
7.経営の継続・安定性確保のために、リスクマネ−ジメントの仕組みを経営に取り入れる。
8.合理性のあるグロ−バル・スタンダ−ド(ISO9000・14000、時価評価、連結決算な
ど)は取り入れる。
9.自社に合うネットワ−ク型ビジネスを追求する。
10.売上高の追求(量)でなく、収益力の追求(質)に転換し、潰れない会社を目指す。
本物が求められる質の時代において、コンプライアンスやCSRが叫ばれています。ますます「人」が大切になってきます。お金や株価だけで企業の価値は図れません。人の価値、可能性に軸を移していく経営が求められると考えます。